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神と仏


神も仏もあるもんかという人がいますが、神も仏もあるのです。ただ宗教的な考え方がいけないのです。宗教は人間がつくった理屈を、人間が信じているのです。
北陸地方にある俗言で、仏ほっとけ、神かもうなというのがあるそうです。宗教嫌いというのは、一種のエゴイズムでありまして、自我意識が強いから、神や仏に頭を下げるのがいやなのです。
仏や神に頭を下げなくてもいいのです。本当の命が分かっていれば、それでよいのです。
本当の命が分からないままで、仏ほっとけ神かもうなといっていると、とんでもないことになるのです。
仏とは、誰が言いにけん白玉の糸のもつれを解くなりけりという意味です。白玉とは、命の玉の緒ということです。命の玉の緒のもつれ、例えば、何のため生きているのか、自分とは誰であるのか、神とは何か、命とは何か、これがさっぱり分からない。これが白玉の糸のもつれです。
これをほとくのです。ほとけるのです。自分の本体がすらすらと悟れる状態、悟ったという状態は何かと言いますと、観世音がほとけている状態です。
世音とは、世の中の色々なことがら、人間生活、社会生活、家庭生活が音なのです。その音をはっきり見るのです。音を見分けるのです。これが観世音です。
観世音というのが一つの仏でありまして、ほとけるのです。人間の常識や知識でこんがらがったもつれを、ほどいていくのです。これが仏の悟りです。
次に神ということですが、神とは絶対性、必然性ということです。宇宙は必然的なものか、偶然的なものであるかという質問がよくありますが、マルクスは人間が偶然的なものであるといっているのです。
もし人間が偶然的な存在であるなら、弁証法的唯物論という必然性を信じる必要はないのです。ただ偶然に生きて、偶然に政治をすればいいのです。革命という必要もないはずです。
つまり、マルクス自身の思想が混乱しているのです。人間存在の基本が偶然であるといいながら、歴史的に必然性でなければならないと考える。そんなおかしな理論はないのです。これがマルキシズムの矛盾です。
マルキシズムの矛盾は、他にもたくさんありますけれど、ここでは割愛しておきます。とにかく人間は、そういうバカなことばかりを信じているのです。そういうことにはすぐに共鳴するのです。
神とは宗教で考えているようなものではありません。宗教で考える神は、白い髭をはやし、衣冠束帯を着て、雲の上に鎮座まします存在なのです。
日本人には衣冠束帯の神がこびりついているのですが、そういう神でもないのです。本当の神とは何か。皆様の心臓が動いていること、目が見えることが、神なのです。神がこんなに近くに、全く人間の意表をつく形で神がいる。あまりに近すぎて神が分からないのです。
地球は単なる惑星ではありません。地球には生き物がつまっているのです。つまり地球全体が生きものなのです。その証拠に、地球から生まれてくるものは、皆生きているのです。黴菌一匹でも生きているのです。地球自身が生きものだから、生き物が生まれてくるのです。
ところが、今の学問では、地球は単なる惑星だと思っているのです。太陽系の惑星だと思っているのです。とんでもない間違いです。これは、地球の実体、実質を知っていない考え方なのです。唯物主義的な考え方は、こういう間違いをしているのです。
皆様も地球からわいて出た生き物です。こういうものが地球からわいて出るのですから、地球は生き物にきまっているのです。
もし、地球が生きものでなければ、こんなものがわいて出るはずがないのです。魚がわいたり、鳥がわいたり、チョウやトンボがわいたりするのはどういうことなのか。それは地球が生きているからです。
地球だけに森羅万象が満載しているのです。こういう奇妙な現象がどうしてあるのか。これが神なのです。こういう事実が神なのです。ここに、宇宙意志の働きがなければならないのです。
地球が回転するには、自転、公転の法則がいります。花が咲くにしても、散るにしても、米の実がなるにしても、すべてみな法則があります。宇宙に法則がないものは一つもありません。
宇宙は法則の世界です。これは自然科学にもいえます。もし法則がなければ、自然科学は成立しません。そのように宇宙ははっきり法則の世界です。
法則の世界であること、必然とは何かといいますと、神なのです。このことが神であると聖書はいっています。
真理を悟ることを仏といい、このような客観的な事実が存在することを神というのです。こういう意味の神、仏なら存在します。これがなければ人間は生きておれないからです。
皆様はせっかくこの世にお生まれになったのですから、せめて命の実体をつかまえて死んでいただきたい。そうしないとひどいことになります。
人間づらをして、大きな顔をして生きていて、人間とは何か、命とは何かを知らないで死んでしまいますと、ひどいことになります。人間としての責任を果たさないで死んでしまうのですから、当然そういうことになります。
宇宙は必然の世界ですから、法則を無視するような状態で生きていたら、死んでからひどいめにあいます。これはあたりまえのことなのです。驚かすのではありませんが、必ずそうなることをお話ししているのです。どうか、地獄のご厄介にならないようにしていただきたいのです。
 

 

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