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定向進化


人間は今のままでは死んでしまうのに決まっているのです。それをなんとか死なない方向へ持っていかなければならないのです。
人間は現実に、無限の可能性を持っているのです。それを人間は発掘しようとしない。自分自身に潜在している人間の能力を、自分で開発しようとしないで、現在のままの状態で幸せをつかみたいと考えている。これはだめなのです。皆様は無限の可能性を持っておられるのです。例えば、釈尊のような、又、イエス・キリストのような可能性を、十分に持っておられるのです。
イエスは永遠の生命の実体を発見して、それに生きることを実行した。その結果、死を破ったのです。復活したのです。死を破ったという歴史的事実があるのです。
皆様はイエスと同じ能力を持っていらっしゃるのです。その事実を皆様が発見すれば、又、自分の中に秘められている無限の能力を発見すれば、必ずイエスと同じように死を乗り越えることができるのです。
現に皆様が生きていらっしゃる命は、天地の命なのです。天地に五官があるのです。人間に耳があるのは、神が人間に耳を与えたからなのです。そうすると、神にも耳があるに決まっているのです。耳がないものが耳を与えることはできません。これが人間の進化の法則なのです。
もうお亡くなりになりましたが、京都大学の今西錦司さんが、『すべての生物には進化の方向がある。これを走向進化という』と言っていました。生物の性向を見れば、進化の方向が分かると言うのです。
人間にも性向があるのです。これは本当の幸せをつかまえたいというお気持ち、真実をつかまえたいという気持ちに現われているのです。人間の性向は何かと言いますと、無限に進歩したい、無限に発展したいと願うことです。これが本当の幸せです。
しあわせと幸いとは違います。人間の理性は無限の真理を追求している。人間の良心は最高の善、完全な善を求めている。良心や理性は無限性を求めているのであって、無限性を捉えるだけの実力があるから求めているのです。
人間の望みは必ず与えられるという可能性があるから望むのです。だから、そういう気持ちが人間に起きるのです。例えば、全く見たことも開いたことも、本で読んだこともない料理を食べたいと言う人はいないでしょう。
人間の希望は、達成されるという可能性がなければ発生しないのです。これが人間の心理学的な原理でありまして、与えられる可能性が全くないものを、求めようとしないのです。必ず与えられると信じて勉強して頂きたいのです。
求め方が悪いと与えられません。どうしたらいいかと言いますと、弁証法的原理に基づいて求めればいいのです。現在の自分をそのまま振り込んでいたのでは、進歩しないのです。正(テーゼ)、反(アンチテーゼ)、合(ジンテーゼ)の原理に従えばいいのです。現在の自分は正です。もっと良いものを欲しいと考えます。これが反です。もっと良いものになりたいと思えば、現在の正を否定しなければいけないのです。テーゼとアンチテーゼがぶつかりあって、正でも反でもない、合というジンテーゼという段階になるのです。
地球が存在することが、実は弁護的原理に従っているのです。皆様の肉体があることも、弁証法原理によっているのです。マルクスは弁証法を、唯物論的に利用しただけであって、弁証法は天地が始まった時に、既に存在していた法則です。万物が進展していく法則が弁証法です。
時が流れていくことが弁証法です。地球が自転公転していることが弁証法でありまして、この原理に従って皆様は生きているのです。そこで皆様は、時間に従って肉体が存在するように、時間に従って物を考えるという思い切りの良さを、訓練して頂きたいのです。
困ったことに皆様は、昨日の自分を握り込んでおいでになります。十年前の思想を未だに握り込んでいる。何十年かの間、現世で経験した人生をじっと握り込んでいるために、本当の人生が分からないのです。
弁証法的に自分自身を進化させればいいのです。人間は無限の可能性を持っていて、無限の真理を求めているのですが、それに向かって進化しなければならない。これが人間のノルマです。
地球の自転公転は、地球が進化していく方向です。時間が流れているということは、未来に向かって地球が進化していることになるのです。
万物が進化する方向をよく考えて、現在の自分を握り込まないように、それに執着しないようにして頂きたい。執着が一番困るのです。人間の人生は執着と迷妄の繰り返しです。執着が原罪の状態であって執着を捨ててしまえば、皆様は見事に進化できるのです。
地球が進化する、人間が進化する原理は何かと言いますと、約束です。一体、宇宙に未来がある、地球に未来があるとはどういうことなのか。時間が流れているということは、地球自身が未来に向かって進展していることなのです。
人間の文明は進展しています。地球も進展しています。進展してどこへ行くのか。地球は未来の完成に向かっているのです。これを聖書は、神の国の実現という言い方をしているのです。
現在の物質は不完全なものです。地球も不完全です。砂漠がある、地震がある、病気、台風、早魅、洪水、津波、噴火、戦争が満ちています。これは完全な地球ではありません。
地球が進化するという方向に向かって、皆様も進化するという、大きな気持ちを持って頂きたい。
心を大きくして、スケールを広くして、釈尊もイエスも自分も、同じ人間だと思って頂きたい。釈尊は自分の人生を捨ててしまった。イエスも捨てました。本当のことをつかもうと思ったら、自分を乗り越えて進んで行かなければいけないのです。
現在、皆様の目が見えるということは、宇宙の命を経験していることです。だから、死ななければならないと考えることがおかしいのです。こういう腰抜けの考えを捨ててしまって、死なないという考えを持って頂きたいのです。
 

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