top of page

四大


一人ひとりの人間に命が与えられているのではなくて、地球が自転、公転している原理、天地の命が、そのまま皆様の心臓の動きとなって現われ、目の機能となって現われているのです。
皆様の生理機能、心理機能は、そのまま宇宙機能なのです。これは神の機能と呼んでもよいのですが、皆様の生理機能、心理機能が、実は、皆様の本体なのです。
自分という人間があるのではなくて、生理機能が自分という形であるだけなのです。この生理機能は、天地運行の原則がそのまま皆様の生命原理として働いています。だから、生理構造はすばらしく神秘なものです。この神秘なものの本体は何かと言えば、これが神なのです。
実は、皆様の目が見えることが神なのです。心臓が動いていることが神なのです。ですから、皆様方の生理機能、例えば、呼吸機能とか消化機能の本質が分かれば、皆様は宇宙の生命を自分のものにすることができるのです。
ところが、人間の常識とか知識というものが、妨害しているのです。自分の妄念で、自分が死んでいくことになるのです。そういうバカなことはやめて頂いて、宇宙物理が人体生理となっていることを認めて頂きたいのです。
仏教では、四大ということを言います。この言葉は、宇宙全体の元素が、四大であるといっているのです。同じ四大という言葉を、人間存在にも使っているのです。四大という言葉で、人間の肉体存在を現わし、又、宇宙の物理存在を現わしています。
これは正しい思想でありまして、人間の肉体構造は四大なのです。地、水、火、風なのでありまして、死なないものです。
皆様が生きておいでになる本質を究明されれば、皆様は死ななくなります。これが本当の教えです。これは宗教ではありません。真実そのものなのです。
現実は真実ではありません。現前において、今、皆様は生きておいでになります。今、皆様の目が見えるのです。耳が聞こえるのです。これは神が共にいますということなのです。皆様と一緒に、神が生きているということなのです。この神に気がつけば、皆様は死ななくなるのです。
神が共にいますということが、イエスの名ということなのです。イエスという人のネームが、こういうことになっているのです。
新約聖書は、実はこのことを教えているのです。端的に、結論だけを申し上げればこういうことになるのですが、充分にご理解頂くためには、聖書を相当勉強して頂く必要があります。現に、皆様は宝の山に入っておいでになるのですから、どうぞ宝をひろって頂きたいと思います。
聖書は、神の思想を人間の用語で現わしています。文字は誰でも読めるのですが、理解することは難しいのです。読めても、さっぱり意味が分からないのです。そこで、もし皆様がまじめに聖書を勉強なさるのでしたら、私を稽古台にされたらよいと思います。
般若心経は、文字通り読んで字のごとくでありまして、色即是空、空即是色です。これはよく分かるのです。分かるというのは、文字の意味はすぐ分かるのですが、具体的に体得することはめったにできないのです。
現代の仏教には、本当の空という思想はほとんどありません。空観が空疎になっている。空観の本質がからっぽになっている。そこで、仏教が空洞化しているのです。本当の空がはっきり分かっているお坊さんは、ほとんどいないのです。
なぜかといいますと、学校教育のためなのです。今のお坊さんは皆仏教大学へ行きます。大学で習ってきた理屈を寺で説いているのです。ですから、これは本当の説教ではなくて、学説の受け売りをしているのです。あの学者はこういっているとか、この学者はこうだとかいっているのです。般若心経についてもたくさんの本が書かれていますが、これらは皆学者の受け売りなのです。
これでは、本当の般若心経は分かるはずがないのです。人間が皆空っぽであるということ、本当に五蘊皆空であるのなら、人間が生きている事実は何なのかということなのです。
五蘊は皆空です。皆様の常識は空であっても、皆様が生きておいでになるという事実があります。
生きているという事実は何であるかということが、今のお坊さんには分からないのです。もし分かっていれば、今の仏教はこんなに堕落しません。形は昔通りですが、中が空っぽになっているのです。
仏教の本質は伽藍ではありません。仏教と仏法とは違うのです。仏法が本当の真理であって、仏教はただの教えなのです。
このことをよくお考え頂きまして、仏法としての般若心経をぜひお考え頂きたいと思います。
人間が大きな力によって生かされていることを正しく認めるためには、まず人間の考え方が空であることを認めなければなりません。そうすると宇宙の命ということが分かるのです。
人間が味わえる大きな喜びは、本当の命をはっきり味わった時に起こってくるのです。

 

bottom of page