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文明思想の間違い

 

現在の政治家は、この世の生活のことしか考えていません。本当の政治というのは、日本的に言いますとまつりごとということです。まつりごとというのは、人間の生活が御霊(みたま)の働きになっているのです。生活というものは、自分自身の命をみがくことになるのです。例えばスーパーマーケットへ大根を一本買いにいくとしても、どういう気持ちで大根を買いにいくかということが、永遠の生命に重大な関係があるのです。
人と話をするにしても、電話をかけるにしても、そういうこと一つ一つがまつりごとになっているのです。
人間の心臓が働いていること、目が見えることが、御霊(みたま)の作用なのです。御霊というのは聖書の用語です。たまというのは、人間の命が現実的に働いていること、人間の命を現実的に働かせていることです。命のことを玉の緒といいます。
「仏とは誰が言いにけん白玉の糸のもつれのほとけなりけり」という歌があります。人間が生きていることが玉なのです。人間が肉体的に生きている状態をしいというのです。しいというのは試みているという意味なのです。
魂というのは、命を現世で試みていることです。うれしいとか、楽しいとか、おいしいとか、苦しいとか、悲しいとかいうことを、人間は経験しています。神の御霊を人間がまつっている。これは実験するということです。これが人間の生活なのです。
人間の現実の毎日の生活が、命の訓練をしていることになります。これが本当の人間の生き方なのです。一日なら一日、一年なら一年、人間の魂を訓練しているのです。
そのように人間全体の生活がまつりごとなのです。そのまつりごとの世話をすることが政治なのです。日本全体のまつりごとの世話をすることが、総理大臣の仕事なのです。ところが、まつりごとの意味を、総理大臣自身が知らないのです。国会議員が知らないのです。
だいたい文明が悪いのです。文明そのものが悪いために、国家経営の責任を持っている人が、まつりごとが分かっていないのです。人間とは何かということさえ分かれば、核兵器の廃絶ということを言わなくても、こんな危険きまわりないものは始めから造らないのです。
現在の学問は皆目的を持っていまさん。科学は目的を持っていない。政治は目的を持っていない。専門学というと立派に聞こえますけれど、専門学は人間が地球上で生活している便利のために存在しているのです。何のために人間が地球に存在しているかという根本的な問題を、究明しようとしないのが、現代文明というものなのです。
実は、人間が生きているということは、大変な事を経験しているのです。天気がいいとか、雨が降るとか、月が出ているとか、天候を見たり、生活のありさまを見たり、他人とつきあったりしていること、これは神の御霊が、試みに人間の形になって、生活を経験していることなのです。これが魂なのです。
だから、人間の人生はどこにもないのです。それを、自分が生きていると思っている。自分が生きているという感覚が、迷いの根本なのです。人が今経験している命は、神の御霊を経験しているのです。だから魂というのです。
大根を一本買いにいくということが、しいの働きなのです。自分が大根を買いにいくのではなくて、魂が生活を営んでいる。生きているということを営んでいることが、魂のあり方をさすのであって、この魂のあり方は、そのまま神のあり方なのです。全知全能の神のあり方なのです。神のあり方を人間のあり方でこころみているのです。従って、人間が生きているという事実はどこにもないのです。
自分が生きているという考え方は、ただ今の文明の根本的な間違いです。自分が生きているという考えを捨ててしまうことができない人は、地獄しかいく道はないのです。
自分が生きているという事実はないのです。それなのに自分が生きていると思っている。そう思いこまされているのです。これが、文明思想の間違いです。
自分という人間は、生れたいと考えたことがないのです。自分が生れたいと思ったことは、絶対にないはずなのです。にもかかわらず自分が生きていると考えている。こんなわけのわからないことがあるのでしょうか。
私というかっこうで、神の御霊が生きているのです。これが分かると人間は死なないのです。人が生きているということが、神の御霊の働きなのです。生きているということが、天地の霊の働きなのです。天地の命を人というかっこうで経験しているのです。だから太陽が輝いて見えるのです。
私達は目で見たり、聞いたり、飲んだり、食べたりしているが、これは神を経験していることなのです。これに気がつけば、死ぬべき命がなくなるのです。イエスはこれに気がついたのです。彼は見事に死を破って、復活したのです。
これは宗教ではありません。歴史的事実なのです。人間が死ななくなってから、2000年もたっているのです。しかしイエスという人を正しく理解しないために、どんどん死んでいくのです。イエスの復活以後、700億人とも800億人ともいう人が死んでいきました。人間は何と愚かかと言いたいのです。
人間の歴史の実体は、人間が死ななくてもよいようになっているのです。神の処置、神のやり方を心得ないために、勝手に死んでいくのです。死んだら地獄という恐ろしいものが待っているのです。
人間の魂は神が分かるだけの力を充分もっているのです。この神を知ることが唯一無二の霊魂の目的なのです。イエスはこれをつかまえたのです。神をつかまえたら死なない命がすぐ分かるのです。
今の人間は、自分が生きていると思って生きています。ところが、自分が生きているという事実はありません。自分が生きていると思っていると必ず死ぬのです。
今の人間は死ぬために生きているのです。遅かれ早かれ、必ず死ぬのです。必ず死ぬにきまっている命を、自分の命だと思っていることが間違いです。
この死ぬ命をぬぎすてて、死なない命をかぶりなおせばいいのです。目の黒いうちは何回でもやり直しができるのです。
 

 

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