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五官は先天性の機能


人間は現在生きていますが、生きていることの意味がなかなか分からないのです。
例えば人間は昨日という時間があったと思っています。昨日があったから今日があります。又明日があります。時間について過去、現在、未来を自然に考えでいます。これが霊魂の本性です。
昨日がなければ今日はありません。これが明日に延長されていくのです。これが人間の常道ですが、この常道がなかなか分からないのです。常道は当たり前のことです。当たり前のことが分からないのです。
なぜ分からないかと言いますと、皆様は文明的な考え方を押しつけられているからです。自分でそのように考えないつもりいても、学校に入る、会社に入る、社会に接触すると、そういう考えに同調しない訳にはいかないのです。生活的に職場に同調するのは当たり前ですが、皆様の命については同調する訳にはいかないのです。命と生活は別物だからです。
例えば結婚しますが、何のために結婚するのか分かっていない。社会習慣として身を固めるというのですが、結婚したらなぜ固めたことになるのか。これは社会常識という鋳型にはまってしまうことになるのです。
生活の形が社会に同調することはいいでしょう。しかし霊魂の本質まで社会に同調してはいけないのです。
男女の関係でも本当のことは全く分かっていないのです。セックスの持つ意義が現代文明では根本的に誤解されているのです。セックスを欲望だと思っている。人間の性と食は先天的な本能です。先天的本能は欲ではありません。命の本性に係わる重大な問題なのです。それを現代文明では欲望と考えている。これが現代文明の指導原理が根本から間違っている証拠です。
資本主義も社会主義も、宗教も道徳も、皆間違っています。生きている人間を正統に、正確に捉えていないからこういう間違いが起きているのです。
こういう間違いがどうしたらなくなるかということですが、まず文明が間違っていることをよくご承知頂きたいのです。
死んでいくに決まっている人間が集って文明を造っているのです。だから文明はやがて潰れるに決まっています。死んでいくに決まっている人間が造ったものが、永遠に存在するはずがないのです。個々の人間の思想が行き詰まっているように、文明自体も行き詰まっているのです。
核兵器が悪いものだということは誰でも分かるのです。こんな危険なものをどうしても廃絶することができない。廃絶どころか拡散して保有する国がどんどん増加する一方です。こんな危険なものがどうしても廃絶できない。こんな簡単なことができないのです。それほど文明は行き詰まっているのです。
間違った文明が間違った方向へ暴走しているのであって、それに同調しないで自分自身の本心を真正面から見る気持ちを持って頂きたい。
そのためには今までの気持ちが間違っていることを、まず認識することが必要です。精神の状態を変えることが必要です。精神の状態を変えると命の状態が変えられるのです。
皆様の精神の状態を変えますと、命の本質が変わってしまいます。死ぬべき命から死なない命に転換できるのです。 
人間は自分の命を、自分の精神構造によって勝手に造っているのです。死なねばならないと思っているのは、死なねばならないような精神構造を持っているからです。
今の人間は必ず死にます。宗教を信じていてもどんな学問を勉強してもだめです。生まれる前の命が分からなければだめです。
私たちは生まれる前の命を五官という形で、今生きているのです。見たり聞いたりしていることは生まれる前の先天性でしているのです。
来世はあるに決まっています。前世と現世と来世はあるに決まっています。それを貫いているのが五官です。これが死なない命です。これは掴まえることが、世界でたった一つの宝ものを得ることです。
今まで死なない命のことをはっきり述べた人は日本ではありません。般若心経と聖書を一つにしてまとめて皆様の前に突き出しているのは初めてのことです。
人間が生きている状態はザ・リビングです。ザ・リビングの実体がよく分かれば死なない命は分かるのです。
人間は生活のことを一生懸命に考えています。結婚とか就職、入学を第一主義に考えて生きています。生活はやがて終わるに決まっています。死んでしまえば、生活は消えてしまうのです。消えてしまうことを中心にしないで、生きていること、ザ・リビング、目が見えること、耳が聞こえることを中心にしなければいけないのです。これが霊魂の本質ですから、このことについて学ぶ必要があるのです。
皆様の五官の感覚は、非常に正確に命の本質を捉えるだけの力を持っているのです。皆様が甘いと思ったことは誰でも甘いと思うでしょう。しかもこの甘い味は天然自然の味です。天然自然の心を弁えることは、皆様自身の本体を弁えるのと同じことです。
常識、宗教、思想に頼らないで、皆様方の五官の働きが何をしているのかということを極めて素朴にお考えになれば、皆様自身の中に命の光があることが分かるのです。
哲学は人間が造った思想です。哲学思想をいくらひねり回しても本当の命は分かりません。神も分かりません。しかし皆様の本性はそれを知っているのです。だから皆様はご自身の本性を見ればいいのです。謙遜に、柔軟な心で自分の命の中心を捉えようという気持ちがあれば、必ず天地自然の助けがあるに決まっています。
天地自然は雄大なものですが、又非常に繊細なものです。最高の原理と最小の事実は一つのものです。神は最も偉大なものですが、最も平凡なものです。これをつかまえて頂きたいのです。
皆様は今のままでは必ず死にます。死ぬに決まっていることが分かっていながら、そのような精神状態で生活していることが間違っているのです。
今の日本人には生活はありますが生命はありません。生活はしておいでになりますが、本当に生きてはいないのです。ライフは分かっていますが、リビングがさっぱり分かっていないのです。生活は必要です。しかし命あっての物種です。命を突き止めるために生活は必要です。
皆様が生きている事実の中に、命の光が輝いている。それを見つけて頂きたいのです。
 

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