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目的を持たない人間


皆様は、人間がいる、自分がいるという前提に立って考えることが、習慣になっています。
例えば、現在の世界文明があることが、何になるかということです。何もならないのです。文明には、一切目的がありません。学問にも目的がないのです。科学にもありません。 生活を便利にしようという目的はあります。生活を便利にして、どうするか分からないのです。
人間の生活目的、存在目的がはっきりしないままの状態で、科学がいくら発展してみた所で、しかたがないのです。
私は、科学は無用だというのではありません。科学は科学としての意味があるのです。
ところが、科学が何をしようとしているかということを、科学者は考えていないのです。だから核兵器の製造、生物、化学兵器の製造まで行ってしまうのです。科学者自身が、途中で止めることができないのです。これは科学だけではなくて、法律も、哲学も、政治、経済もそうです。
文明に目的がありませんから、学問にも目的がないのです。アメリカの大統領も、目的を持っていないのです。アメリカの大統領として政治をすることが、目的のように考えているだけです。これは人生目的とか、人生の理想とは違うのです。
皆様方も、現在の目的はあるでしょう。どこかへ旅行をしたいとか、家を購入したいとか、子供を大学へ入学させたいという、近視眼的な目的はあるでしょう。
そういう目的ではなくて、生きていること自体の生命目的なのです。六十八億の人間が、一人も本当の目的を持っていないのです。目的を持っていない人間ばかりが集まって、現在の文明ができているのです。だから、文明も目的を持っていないのです。
人間がこの地球上に生きていても、何もならないのです。命という点、人間存在の真実という点から考えますと、何もならないのです。
人間は生きてはいますけれど、何のために生きているのか、返事ができないのです。これが、人間が正当に生きていないことの最も簡明な証拠になるのです。
目的を持っていないということが、宇宙が認めていないことになるのです。もし宇宙が、現在の人間を認めているとすれば、人間に目的がないというばかなことはありえないのです。ところが、現実の人間は、目的がないのです。
日本という国は、国家目的を持っていないのです。人間も社会も、世界全体が目的を持っていないということは、実はそういう人間は、存在していないということなのです。
人間は、大変な間違いをしているのです。誰もが、自分がいると思っているが、自分はいないのです。
自分がいるのではなくて、生かされているという事がらがあるのです。リビングということがあるのです。これはとてつもなく大きいものです。ところが人間は、リビングに目を向けようとしていないのです。
人間に目的がないということは、死んでいるということなのです。死んでいる人間が、地球という住み処に、巣くっているだけです。命を考えない生物がいるだけ
なのです。ところが、人間は、精神構造という恐ろしいものを持っているのです。
実は、人間という動物がいるのではないのです。人間はただの生物です。ところが、人間の中にある精神構造と人格構造という、驚くべきものがあるのです。これが人間というかっこうで、顔を出しているのです。これが分かれば、驚くべき世界が分かってくるのです。
人間が地球に生れた目的は、生きることを見つけるためです。生きることを見つけるために、生きているのです。こういうことを、難しいと考えてはいけないのです。皆様が常識にこだわっているから、難しいと思うのです。
皆様の常識は、死んだ人間の考え方なのです。又は、死ぬにきまっている人間の考え方なのです。学理学説は、死んだ人間が残した理論ばかりです。
死んだ人間ではない理論は、人間社会の中には、一つもないのです。すべて死んだ人間の理屈が残っているのです。
皆様はそれを勉強して、学問をしたと思っているのです。死んだ人間の思想をのみこんだだけなのです。
科学も、哲学も、法律、宗教も、全部死んだ人間が残したことばかりです。ノーベル賞をもらった人も、死んだのです。現代の人間の学問は、死んだ人間の言ったこと、これから死んでいく人間がつくっているということをよく考えるべきです。
これを考えないのは、皆様が自分の精神を知らないからです。皆様は、自分の人格を知らないのです。
皆様の理性と良心は、永遠の理想を求めています。ところが、人間としての皆様は、永遠の理想を全然考えない。目の前の利害得失だけを考えている。
皆様は、自分の精神構造、人格構造を、自分で裏切っているのです。要するに、皆様は、シビア一に考えないからいけないのです。常識と妥協しているのです。生活と妥協しているのです。人間の伝統と妥協しているのです。そうして、現世で得をしようと考えているのです。そういう妄念を捨てなければならないのです。
人間がいるのが間違っているのではありません。人間がいるという考えが間違っているのです。自分がいるのではなくて、人格があるのです。精神構造があるのです。人間という彪大な精神構造があるのです。
これが、宇宙存在の将来に対して、宇宙を完成するための驚くべきエネルギーになるのです。
地球はすばらしい状態で、完成されなければならないのです。宇宙完成、地球完成という大きな目的のために、皆様が協力しようという誠意があるかどうかです。自分のことは考える必要がないのです。初めから、自分はいないのです。
地球の完成というすばらしい大事業に対して、皆様方に本当の誠意があるかどうかです。
理想を考えようとしない人間、命を見つけようとしない人間は、生きていてもしょうがないのです。
永遠が、人間の霊魂の理想です。精神構造の本当の理想は、永遠であって、生活ではないのです。
日本の国を良くしようということとは違うのです。日本という国はあってもなくても、どうでもいいのです。もし日本が、地球の完成のために役に立つのなら、日本があることは大変いいのです。ところが、日本人は日本のことだけを考えているのです。
とにかく、理想は、地球が完成することです。
現在の地球は、地震があり、砂漠があります。人間がどんどん死んでいく地球です。こんな地球は間違っているのです。人間は、地球完成という目的のために、地球に生れてきたのです。
 

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